今回はあいみょんの「空の青さを知る人よ」歌詞全文の意味やMVフル動画について、チェックしていきたいと思います。
映画「空の青さを知る人よ(空青)」の主題歌として抜擢され話題を呼んでいるタイトルとも同名のこの楽曲は、あいみょんにとっては「ハルノヒ」以来の映画主題歌。
今回の「空の青さを知る人よ」は、大ヒットを博したアニメ「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」や映画「心が叫びたがってるんだ。」などを手がけた長井龍雪監督の最新作。
そんな話題の感動作品をあいみょんはどのように受け止め、解釈し、「空の青さを知る人よ」という楽曲に想いを込めたのか。詳しく見ていきましょう。
あいみょん「空の青さを知る人よ」歌詞全文の意味やMVフル動画
それでは早速今回の本題であるあいみょんの新曲「空の青さを知る人よ」について、詳しく見ていきたいと思います。
まずあいみょんの「空の青さを知る人よ」の歌詞は以下のようなところとなっていました。
「空の青さを知る人よ」あいみょん
作詞:あいみょん全然好きじゃなかった
ホラー映画とキャラメル味のキス
全然好きになれなかった
それなのにね
今は悲鳴をあげながら
君の横顔を探している空虚な心の落とし穴
暗すぎてなにも見えない
根拠なんて一つもないのにさ
身体が走り出してく赤く染まった空から
溢れ出すシャワーに打たれて
流れ出す 浮かび上がる
一番弱い自分の影
青く滲んだ思い出隠せないのは
もう一度同じ日々を
求めているから全然好きじゃなかった
ほら、あの呼び方 漫画の主人公みたいで
全然好きになれなかったんだ
それなのにね
今も似た言葉に身体が動くよ
皮肉な思い出なのさ何回も右往左往してみても
暗すぎて何も見えない
そうかい まだ隠れているのかい
飛び出しておいで メモリー高く掲げた掌
届く気がしたんだ確かに
回り出す 襲いかかる
悪魔の顔をした奴らが
会いたい人に会えない
そんな悪夢を
雲に変えて 食べてやるよ
悲しくなるからいつも いつも いつも いつも
君が 君が 君が 君が
最初に いなくなってしまう
なんで なんで なんで なんで
僕に 僕に 僕に 僕に
さよならも言わずに
空になったの?赤く染まった空から
溢れ出すシャワーに打たれて
流れ出す 浮かび上がる
一番弱い自分の影
青く滲んだ思い出隠せないのは
もう一度同じ日々を
求めているから君が知っている
空の青さを知りたいから
追いかけている
追いかけている
届け
今回は映画の主題歌であり同名のタイトルということもあるので、歌詞の意味を読み解いていく上では映画「空の青さを知る人よ」のあらすじをチェックしておく必要があると思います。
公式より発表されている、映画の主なあらすじはこちら。
山に囲まれた町に住む、17歳の高校二年生・相生あおい。将来の進路を決める大事な時期なのに、受験勉強もせず、暇さえあれば大好きなベースを弾いて音楽漬けの毎日。
そんなあおいが心配でしょうがない姉・あかね。二人は、13年前に事故で両親を失った。当時高校三年生だったあかねは恋人との上京を断念して、地元で就職。それ以来、あおいの親代わりになり、二人きりで暮らしてきたのだ。
あおいは自分を育てるために、恋愛もせず色んなことをあきらめて生きてきた姉に、負い目を感じていた。姉の人生から自由を奪ってしまったと…。
そんなある日。町で開催される音楽祭のゲストに、大物歌手・新渡戸団吉が決定。そのバックミュージシャンとして金室慎之介の名があがる。あかねのかつての恋人であり、高校卒業後、東京に出て行ったきり音信不通になっていた慎之介が町に帰ってくる…。
時を同じくして、あおいの前に、突然“彼”が現れた。“彼”は、しんの。まだあかねと別れる前の、高校時代の姿のままで、13年前の過去から時間を超えてやって来た18歳の金室慎之介。
思わぬ再会をきっかけに、次第に、しんのに恋心を抱いていくあおい。一方、13年ぶりに再会を果たすあかねと慎之介。せつなくてふしぎな四角関係…過去と現在をつなぐ、「二度目の初恋」が始まる。
映画のネタバレとなるのでそこまで深くは言及しませんが、ファンタジーとも取れるし純粋な恋愛モノとも取ることのできる今回の映画「空の青さを知る人よ」。
主人公である相生あおいは予告動画にもあるように「まだ恋を知らない」純粋な少女、しかし自らと姉・あかねの状況に対して「私たちは巨大な”牢獄”に収容されてんの」と言います。
それはきっと両親を失いこれまでに過ごしてきた日々のことを指しているのかもしれませんし、一方で恋人である”しんの”との上京を断念して色々なことを諦めてしまった姉の人生のことを、さらにはそんな姉への負い目に縛られている自分自身のことを指しているのかもしれません。
そうして姉に対して「姉の人生や青春を奪ってしまった」と負い目を感じている相生あおいの心情が、今回の映画や主題歌を読み解く鍵になっていくでしょう。
幼い頃に全然好きじゃなかったものも、大人になって好きになってしまう。
この映画「空の青さを知る人よ」は個人的に相生あおいの「贖罪」の物語のように感じます。
贖罪というとちょっと言い方は固いかもしれませんが、幼かった自分を育てるために青春を捨ててきた姉・あかねに対する負い目を挽回するような、姉に「もう一度あの青春を思い出して欲しい」と願う相生あおいの奮闘する姿が描かれていると思いました。
その上であいみょんの「空の青さを知る人よ」の歌詞の意味を解釈していくと、まず冒頭にある以下の部分は13年前の過去から来た18歳のしんの(金室慎之介)に恋心を抱く相生あおいの心模様を表しているのではないでしょうか。
全然好きじゃなかった
ホラー映画とキャラメル味のキス全然好きになれなかった
それなのにね…
現在17歳の相生あおいですが両親を失ってしまった13年前は「4歳」のことで、そうして幼い頃はまだ「ホラー映画とキャラメル味のキス=幼かった相生あおいがイメージする”大人”や”恋愛”像」は好きじゃなかったし理解できなかったかもしれません。
しかし、13年のときを経て17歳という「大人と子供の間」になった彼女の前にしんのが現れ、相生あおいは彼に恋心を抱いていきます。
そのことを指して、以前は好きになれなかった=理解できなかった「恋愛」というものも、しいては「しんの」という人物も、今では好きになってしまうという心情の変化をここの歌詞では表しているものだと感じました。
それでも、「空の青さ」を姉に思い出して欲しい。思い出させて欲しい。
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しかし、しんのに恋心を抱きながらもそのことを「ダメだ」と相生あおいは自分に言い聞かせます。
なぜなら目の前にいるしんのは姉が13年前に恋をしていた人物であって、それと同時に「自分のせいで姉が諦めた人」でもあるからです。
そんなしんのに恋心を抱くようなことはいわゆる禁断の恋のようなものですし、姉の人生を奪ってしまった上に過去の恋人と自分が付き合うなんて…そんなことは相生あおいにはきっとできないはず。
だからこそ、相生あおいはそんな自分の恋心を抑えながら「贖罪=姉にもう一度青春の日々を取り戻してもらう」ということのために、そしてしんのと姉が「しがらみのない純粋な時間」をもう一度送ってもらうために、つまり「過去と現在の恋をつなぐ」ために奮闘していきます。
その様子が、あいみょんの「空の青さを知る人よ」の以下歌詞にも現れているのではないでしょうか。
赤く染まった空から
溢れ出した輪に打たれて
流れ出す 浮かび上がる
一番弱い自分の影青く滲んだ思い出
隠せないなら
もう一度 同じ日々を
求めているから君が知っている 空の青さを
知りたいから
「赤く染まった空から溢れ出した輪」は太陽のことを指しており、姉であるあかねはそんな陽の光を浴びないような生活=青春を諦めた生活をこれまでに送ってきました。それこそ相生あおいが「巨大な牢獄」と言ったように。
でも、そんな姉に対して負い目を感じていた相生あおいにとっては、「青く滲んだ思い出=しんのと過ごした日々」を姉になんとしてでも取り戻してもらいたい。あるいは思い出してもらいたい。
そこでタイトルの意味にもつながっていくのですが、今回の表題にもなっている「空の青さを知る人」とは「姉の青春時代を知っている人=しんの」のことを指しているように個人的には感じました。
姉が「青く滲んだ思い出を隠せない=しんのとの日々を忘れられない」なら、そんなしんのと過ごした「同じ日々をもう一度」送ってもらうために、13年前のしんのと相生あおいが奮闘していく様があいみょんの歌詞にも込められているのではないでしょうか。
当時4歳で「空の青さ」をまだ知らなかった相生あおいが、姉の青春の日々を取り戻すために、自分の知らない姉の姿を取り戻すために頑張っていく。
それが、この映画ならびに主題歌「空の青さを知る人よ」で描かれていくものだというように個人的には捉えました。
ちなみに個人的には「溢れ出した輪」という部分が、「あの花」の最後のシーンでめんまが見つけられるシーンとリンクするような気も…ファンとしてはそういった過去作との繋がりにも注目したいところです。
「空の青さを知る人よ」主題歌のエピソードも心に沁み渡る。
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今回の映画「空の青さを知る人よ」は、冒頭でも述べたように「あの花」「ここさけ」などを手がけた長井龍雪監督の最新作。
さらに、それに加えて同様に「あの花」「ここさけ」の脚本を手がけた岡田麿里さんとキャラクターデザインや総作画監督を務めた田中将賀さんが参加したクリエイターチーム「超平和バスターズ」が再集結した作品としても知られています。
しかもそこに「モテキ」「君の名は。」などを手がけた川村元気プロデューサーまでもが参加しているのですから、超豪華制作陣を迎えた万全の体制で映画が制作されているのでした。
そんな川村元気プロデューサーは、「空の青さを知る人よ」の主題歌をあいみょんに依頼する際のエピソードを次のように語っています。
井の中の蛙、大海を知らず。されど、空の青さを知る。
脚本に書かれた台詞を見て、なぜだか“あいみょんの声”が聴こえたような気がした。長井龍雪監督、岡田麿里さん、田中将賀さんにそのことを伝え、全員一致でお願いしようとなった。
劇中の登場人物が田舎町から上京したときに歌った曲として「空の青さを知る人よ」を書き下ろしてもらった。
上がってきた曲を聴いて驚いた。キャラクターが乗り移ったかのような歌詞とメロディなのに、どこまでも“あいみょんの曲”だった。
情けなくて、嬉しくて、あたたかいけど、痛くて、忘れることができない想い。
そんな“ごちゃごちゃした気持ち”が詰まったこの歌が、映画を空高く舞いあげてくれる気がした。
脚本やキャラクターのセリフを見て「あいみょんの声が聴こえた」というエピソードですが、これほどまでに作品とリンクするアーティストもそういないのではないでしょうか。
実際に自分も主題歌である「空の青さを知る人よ」が流れる予告動画を見た際に強い感銘を覚えました、ここまで映像と音楽がリンクした作品があるものかと。
それこそ流石はRADWIMPSでおなじみの「君の名は。」を手がけた川村元気プロデューサーだと思いますし、昨今の映画作品における「音楽」の重要性を再認識したように感じました。
また、一方のあいみょんも「空の青さを知る人よ」の制作エピソードについて、以下のようにコメントしていました。
脚本を読ませていただいた時、しんのやあおいと同じく音楽をやっている身として共感できる部分や、青春の淡い痛さみたいなものが自分にもあったなと感じました。
監督やスタッフの皆さんに曲を聞いていただいた時に、「この楽曲と寄り沿いながら映画を作っていきたい」と言ってくださり、映画づくりの一員として携われたことを、とてもありがたいなと思いました。
楽曲制作の最初に映画のタイトルまるまる使った曲を作りたいという話をしていたので、作れたことを嬉しく思っています。
作品に寄り添いつつも、自分らしさのある素敵な曲になったと思いますので映画も楽曲も楽しみにしてください!
川村元気プロデューサーも言っていたように、まさに今回の「空の青さを知る人よ」は作品に寄り添いつつもあいみょんらしさのあるエモーショナルな楽曲。
今回は歌詞の意味を考察する上で映画のあらすじに沿って解釈していきましたが、それを差し置いても純粋に「1つの楽曲」として素晴らしいメロディー・歌詞の作品だと思います。
そういった意味でも主題歌も映画の内容も存分に楽しむことができる、最高の仕上がりとなっているのではないでしょうか。
まとめ
ということで今回は、あいみょんの新曲「空の青さを知る人よ」についてチェックしてきました。
映画「空の青さを知る人よ」の主題歌として制作されたこの楽曲は、映画の内容ともリンクしていながらあいみょんらしさを感じることのできる至極の一曲。
「あの花」「ここさけ」を観てきたファンとしても公開が待ち遠しくて仕方がありませんし、公開され次第すぐに観に行きたいと思います。素敵な楽曲や作品をありがとうございました。