【公立の星】夏の甲子園歴代優勝校・出場校のうち公立高校一覧を総まとめ

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今回の記事では「夏の甲子園」で優勝してきた・出場してきた公立高校の一覧について、歴代のデータをもとに総まとめ的にチェックしていきたいと思います。

甲子園もとい高校野球といえば私立高校に強豪が多く、夏の甲子園のトーナメントにおいても私立の強豪がひしめいているイメージが強いですが、もちろんその中で公立高校も負けじと奮闘しています。

そんなまさに「公立の星」とも言えるべき、そして多くの野球ファンにとってきぼうともなり得るべき公立高校について、夏の甲子園にフォーカスして徹底的にチェックしていきましょう。

目次

甲子園で優勝した歴代公立高校一覧(50年代以降)

早速ではありますが、甲子園でこれまでに優勝してきた歴代公立高校の一覧をまずチェックしてみましょう。

春夏別公立高校の歴代優勝回数

  • センバツ優勝:37回 (29校)
  • 夏の甲子園優勝:37回 (25校)

年代別公立高校の歴代優勝校

  • 50年代:13回(西条、柳井、済々黌、広島商、四日市、飯田長姫、松山商、洲本、芦屋、静岡商、鳴門、松山東、韮山)
  • 60年代:9回(松山商、大宮工、習志野、津久見、岡山東商、三池工、徳島海南、下関商、高松商)
  • 70年代:9回(箕島④、浜松商、習志野、銚子商、広島商、津久見)
  • 80年代:8回(広島商、宇和島東、池田③、伊野商、取手二、高知)
  • 90年代:3回(松山商、観音寺中央、佐賀商)
  • 00年代:2回(佐賀北、清峰)
  • 10年代:0回

※50年代以前にも京都二中など公立での優勝校はありましたが、私立公立に明確な差がないため割愛。

こうして見てみると夏の甲子園は全100回を超える開催数となりましたが、そのうちのおよそ3分の1ほどを公立高校が優勝を勝ち取っていることがわかります。

ただし年代別に見るとまた様相も変わってきて、以前は公立高校が甲子園で優勝することも少なくはありませんでしたが、近年になり私立高校の力が伸びていく中で公立高校の優勝は限りなく少なくなっていることがわかりますね。

「夏の甲子園」年毎の公立高校出場校一覧

一方で優勝校ではなく「出場校」はどうなのかということも気になったので、これまでに夏の甲子園に出場した公立高校の一覧をまとめてみました。

データが多いため近年のものをまとめています、参考までにチェックしてみてください。

2018年「夏の甲子園」公立高校出場校(全56校のうち8校)

  • 金足農(秋田)
  • 高岡商(富山)
  • 白山(三重)
  • 明石商(西兵庫)
  • 丸亀城西(香川)
  • 鳴門(徳島)
  • 高知商(高知)
  • 佐賀商(佐賀)

2017年「夏の甲子園」公立高校出場校(全49校のうち8校)

  • 東筑(福岡)
  • 坂井(福井)
  • 滝川西(北北海道)
  • 高岡商(富山)
  • 彦根東(滋賀)
  • 三本松(香川)
  • 鳴門渦潮(徳島)
  • 波佐見(長崎)

2016年「夏の甲子園」公立高校出場校(全49校のうち10校)

  • 大曲工(秋田)
  • いなべ総合(三重)
  • 尼崎(兵庫)
  • 和歌山(和歌山)
  • 鳴門(徳島)
  • 堺(鳥取)
  • 出雲(島根)
  • 唐津商(佐賀)
  • 長崎商(長崎)
  • 嘉手納(沖縄)

2015年「夏の甲子園」公立高校出場校(全49校のうち10校)

  • 三沢商(青森)
  • 秋田商(秋田)
  • 高岡商(富山)
  • 静岡(静岡)
  • 岐阜城北(岐阜)
  • 津商(三重)
  • 鳥羽(京都)
  • 下関商(山口)
  • 鳴門(徳島)
  • 今治西(愛媛)

私立高校が甲子園に「一度も出場したことがない」県も実は存在する

公立高校が夏の甲子園に出場するケースは決して多いとはいえず、ここまで見てきたように全出場校数の中でも公立高校は1桁から10校あたりまでという少ない出場校数となっています。

ただ、そもそものところで言うと県によって公立高校が勝ち上がれる確率が違うといいますか、私立高校と公立高校の割合によって地方大会のトーナメント状況も大きく違っている部分があるのも確かです。

 

その最たる例としてあげるべきなのは、やはり「徳島県」でしょう。

徳島けんは全国で唯一「私立高校が甲子園に出場したことが一度もない」ことで知られており、つまりは「歴代甲子園出場校はすべて公立高校が占めている」ということでもあります。

その理由はいたってシンプルで、そもそも徳島県内には私立高校が以下の3つしか存在していないのです。

  • 香蘭高等学校
  • 生光学園高等学校
  • 徳島文理高等学校

さらにこの中で硬式野球部が存在し公式戦にも出場しているのは、唯一生光学園高等学校のみ。

そういった県内事情の背景もあって、県内の有力選手も公立高校へ進学するケースが多く、結果として徳島県では鳴門高校や鳴門工業などの公立高校が勝ち上がる傾向にあるのです。

そのほか公立高校で野球が強い県はどこ?

また、そうして県内の私公立校の割合が甲子園出場校にも影響を与えている例として、秋田県や愛媛県もあげられるでしょう。

  • 秋田県:私立では明桜(前秋田経法大付)のみ過去に甲子園に出場
  • 愛媛県:私立では済美のみ過去に甲子園に出場

このように両県では私立高校の強豪がひしめいているというわけではなく、「公立高校が強い」とはもちろん言い切れない部分はありますが、それでも公立高校が甲子園に出場できる確率というのも他県に比べると高いのかもしれません。

 

それこそまた後述しますが、秋田県の金足農業が2018年に甲子園に出場し巻き起こした旋風は「公立の星」とも言えるべきもので、公立高校の無限の可能性を感じた人も多かったのではないでしょうか。

伝説の2007年「佐賀北対広陵」と2018年「金足農業対大阪桐蔭」

というように過去の「夏の甲子園」出場校と優勝校の歴代一覧をチェックしてきましたが、やはりその数は私立に比べると当たり前ではありますが少ないことがわかります。

それでも公立高校として地区大会と勝ち抜き甲子園の舞台へ出場するということは本当にすごいことだと思いますし、その勇姿は多くの人の心に深く残っているはず。

 

特筆して例をあげるとするのであれば、次の2つの公立高校が甲子園で巻き起こした旋風は、個人的にもとても印象に残っています。

  • 佐賀北(佐賀)5 – 4 広陵(広島):第89回大会(2007年)
  • 金足農(秋田)2 – 13 大阪桐蔭(大阪):第100回大会(2018年)

高校野球の試合に良し悪しをつけるのは個人的に好きではありませんが、強いて心に強く残っている試合といえばやはりこの2つ。

「佐賀北」「金足農」それぞれの公立校が甲子園で巻き起こした旋風はまさに「公立の星」とも呼べる圧倒的な勢いで、自分も個人的に印象に残っている2校です。

 

前者の佐賀北は2007年夏の甲子園の決勝、下馬評でも圧倒的に不利と言われていた状況で強豪・広陵を劇的に下しています。

特に8回裏に3点差をひっくり返す「逆転満塁ホームラン」という形で多くの観客の度肝を抜き、結果として5ー4で広陵を下し全国優勝を遂げました。

開幕試合での甲子園初勝利からその勢いはとどまることがありませんでしたが、まさか地元出身者で固められた公立高校・佐賀北が、圧倒的な強さを誇る私立高校・広陵を下し優勝するとは誰も予想できなかったのではないでしょうか。

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また、後者の金足農業についてもそれは同様で、2018年に甲子園で巻き起こした「金足旋風」は高校野球史に残る伝説的な快挙だったと思います。

過疎化が著しく進む秋田県内でたまたま集まった9人の3年生という少数メンバー、さらには雪国という劣悪な練習環境、公立高校であるがゆえの制約された練習時間。

そういった悪条件とも言える環境を物ともせず、決勝では惜しくも大阪桐蔭に下されることとなってしまいましたが、数多くの強豪を下し準優勝にまで輝いたその勇姿は多くの人の心に残っているはず。

 

夏の甲子園に限っていえば近年でベスト4以上に残る公立高校の数は限りなく少ないわけですが、こうして公立高校の活躍が稀に見られることもありました。

私立高校が悪いわけでは決してなくそれぞれがそれぞれの環境のもと全力で努力しているのは確かですが、それでもこうして「雑草魂」と言わんばかりに公立高校が切磋琢磨していく姿はとても素敵だと思います。

私立高校の「インフレ」を公立高校が阻止できるかどうか

というように今回の記事では「公立の星」とも言えるべき、夏の甲子園に出場・優勝してきた歴代の公立高校を一覧でまとめてきました。

以前は、それこそ2000年より前のように私立と公立それぞれの野球環境にそこまで大きな差がない時代においては公立高校の甲子園優勝数も少なくはありませんでしたが、近年ではなかなか私立の分厚い壁を突き破ることは簡単ではなくなってきています。

それに私立の強豪校には中学から名を馳せる名選手たちが全国各地から集い、そして専用球場などの整えられた練習環境が揃っていることからも、インフレーション的に私立高校は強くなっていきます。

 

しかし、その中で公立高校はどのように闘い抜いていくのか。それには多くの苦難と工夫が必要になることは間違いありませんが、多くの強豪私立に立ち向かい奮闘していく姿はやはり心を打つものがあるでしょう。

それこそ「金足旋風」のように、甲子園に荒風を巻き起こし地元の人や全国の野球ファンの希望ともなるような公立高校が今後も出てくることを、ファンの1人としても心待ちにして球児たちを応援したいと思います。

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